高齢者と運転事故

・駐車場におけるブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故。その数は国内で年間約7000件にものぼり、それに伴う死傷者は毎年1万人を 超えています。統計的には70歳以上の事故率が 圧倒的に多いという状況です。何故そのような事故が起きるのかを私なりに考えてみました。

交通事故1、緊張感の不足かも?
 私たちが普通の暮らしをしている中で最も危険な状況は 運転中のはずです。車だけでなくバイクや自転車も同様です。何歳から高齢者とお呼びすればよいのかは分かりません。80歳でもバリバリの経営者もいますし、個人差が大きいのです。そうは言っても、70歳ともなれば瞬時の状況判断力や、とっさの時の筋肉の反応は多少鈍っているものと思いますので、その辺のところの自覚もまた必要な事でありましょう。ビルの屋上駐車場からフェンスを突き破って路上に落下したり、駐車場から店舗の壁を突き破り、車半分が店内にめり込むほど激突したり、考えられないような事故が起きています。普通に考えればアクセルを緩める所を瞬間的にパニック状態になり、足が突っ張って目一杯アクセルを踏み込んでいるのではないかと推測しています。これらの事故は決して他人事ではありません。車があれば行動範囲は広いし、目的地までの時間の短縮になりますし、なくてはならない便利なものではありますが、その一方で運転する事にマンネリ化しているような気がしています。 交通事故2

2、下肢筋肉の老化による筋肉の反応低下
 車庫入れなどのバック運転時、シミュレータを使って実験してみると、被験者は後方を見ようとして体をねじった状態のときに、アクセルとブレーキの正しい位置を把握できなくなる傾向があり、なかにはブレーキを踏んだつもりで、アクセルばかり踏んでる人もいたという実験結果があります。椅子に座った姿勢で、足の甲を伸ばしたり立てたりしてみて下さい。細かく観察するとスネやフクラハギの筋肉が交互に伸縮を繰り返しているのが分かります。そして膝関節・足首関節・股関節が作動しているのが分かるはずです。これがアクセル操作の場合には更に微妙な甲の動きとなります。自分では普通に操作しているつもりでも実際には遅れ等が生じているものなのです。
交通事故3   
◎ 結論
 自分を知る事が大切なこと。筋肉の老化や反射神経の衰えは避けては通ることは出来ません。毎朝ラジオ体操をしている方がいます。大変すばらしいことなのですが、そこまで行かなくとも、せめて運転前には、ひざ裏のストレッチそして膝屈伸・屈伸旋回運動を行いたいものです。これらを小まめに行えば、股関節・膝関・足首関節が軟らかくなります。10日続けば3か月続きましょう。そうなれば一年続きます。日々わずか1分から2分の行動の積み重ねが、安全運転確保に繋がるだけでなく、あなた様にとって良好な下肢筋肉健康を維持する上において生涯の財産となっていきましょう。