膝痛について

膝痛 腰痛・肩コリと並んで、非常に多いのが膝に関するトラブルです。症状の内訳を見ると痛みが80%と大半を占めていますが、その他として、水が溜まった、変形した、ガクガクするといった症状が目立ちます。肩コリや腰痛に比べると膝のトラブルは非常に特殊なケースのように思われがちですが、 実際には大変多くの人が悩まされているのです。

膝のトラブルが厄 介なのは、痛みのせいで歩けなくなるなど日常の動作が著しく不自由になってしまう事です。特に お年寄りなどは、膝が痛むとつい家に閉じこもりがちになり、体を動かす機会も精神的な刺激を受 ける度合いもぐんと減ってしまい、そのせいで体の老化や脳の老化に拍車がかかる危険性もないとは言えません。 膝にトラブルが起きやすいのは何故でしょうか?

結論から言えば膝には元々傷害を背負い込みやすい弱点が備わっているからです。まず、人間は2本足で歩いているために、膝には腰と同様、無理な負担が加わっています。単純に考えてみても、 人間が4足歩行から2足歩行に進化した段階で両手の自由と引き換えに2倍の負担が足にのしかか った計算になります。実際にはその程度では済まず、平地を歩くだけで体重の2~3倍、そして階段を普通にトントンと降りる際には実に体重の5~6倍の荷重が膝に加わっている事になります。

しかも、膝はただ屈伸するだけでなく、ねじり運動やこれらの運動を逆に制御する働きもこなしています。走っている途中止まる時、膝はストッパーとしての役割も果たしています。また、動き方も実に巧妙で、旋回しながら、曲げたり伸ばしたりできます。

このように、膝の関節は体中で最も複雑な動きをしているため元々デリケートな構造をしていま す。この複雑な動きを重い体重を支えながら行うのですから、膝には常日頃から大変な負担が加わっているのです。しかも、股関節などが太い筋肉で保護されているのに対し、膝関節は強力な靭帯で結び付けられているものの、外側を覆うような筋肉はごくわずかです。そのため、外圧で傷害を受けやすい状態にあるのです。元々、これだけの弱点があるのですから、スポーツで膝を酷使した り、老化によって筋力が衰えたり軟骨が摩擦したりすると、膝にトラブルが起こりやすいのは当然 と言えるでしょう。

自分で出来ることもある予防&改善法

1.家庭ではまず、過度の肥満を解消し、膝の保温が大切です。計算上10キロの減量は、階段を降りる際の60キロ~70キロの負担の軽減になる事を理解すべきでしょう。また夏場はクーラーの使い過ぎを避け、冬場は保温性の高いサポーターを活用するなど、膝関節を冷やさないよう心がけましょう。

2.膝を深く曲げるような動作をなるべく避けるようにし、生活様式を洋式に変えると良いでしょ う。とりわけ、トイレは洋式が望まれます。

3.膝に負担のかかる姿勢をしないようにし、屈伸運動を繰り返し行うなど、筋肉強化運動を行い ます。

膝関節の健康度チェック法

長座(座椅子に座った姿勢)で、膝をリラックスさせ、お皿の4隅を指で支え、お皿が動くかどうかチェックしてみましょう。上下左右の四方向にスムーズに動けば膝関節は一通り健康であると言えます。正座が辛い人や出来ない人はお皿が全く動かなかったり、動きが硬かったり、ギシギシ音がします。