腰痛用ベルト・コルセット

腰の痛みを抑える方法として、ベルトやコルセットがありますが、実際のところ効果はどうなんでしょうか? 結論から申しますと… 一時的に痛みを抑え楽になることはあっても、治しているわけではありませんので、むしろ治るのに時間がかかるし、腰痛を悪化させてしまう事もあると考えます。それではなぜコルセットをすると腰の痛みがやわらいで楽になるのでしょう?  それは、痛みのため上半身を支えるだけの筋力を失った腰周りの筋肉に代わってこれが支えてくれるからです。又、多少締め付ける事でシャキッとしていくらか楽になったように感じることもあるでしょう。

これを私なりに例えて言いますと、高架橋の橋脚にひびが入り、これを補強するために、鉄板を巻きつけて強度を保持という工法がありますが、ちょうどこれと同じです。全体の強度としては一応維持できているようになっていますが、橋脚そのものはひびが入ったままなのです。また新たな一つのデメリットとして、血行不良があります。コルセットにも各種あり、締め付けの強いものを使った場合は、腰周りの筋肉を必要以上締め付けることになり、その結果、神経・血管までが圧迫され、特に下肢が血行不良となり冷えあるいはシビレを助長することにつながります。ですから、仕事中には使っても帰宅後はすぐに外すなど、メリハリをつけた使用に心がける事が大切になります。

また、慢性腰痛で悩んでいる方でも365日痛いわけではないと思います。比較的調子の良い日をみて、背筋を鍛えたり、ストレッチを十分行うなど日頃からの努力が必要となります。なによりコルセットに依存する気持ちを断ち切り、自分の筋力を取り戻すための強化訓練を行う強い意志が必要となります。強化した筋肉による“自前の筋肉コルセット”を愛用するといった気迫ある行動力と前向きな精神的態度が不可欠であると言えましょう。